呂不韋を糾弾できず、くやしさを滲ませる政陣営。羌瘣の紹介で軍師学校へ入った貂は、昌平君のもとで軍師を目指すことに。
政暗殺の顛末や、王騎の修行が描かれる第10巻のあらすじや感想を調査しました。
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- 黒幕・呂不韋を政陣営は糾弾できない
- 羌瘣の紹介で貂は昌平君の軍師学校へ
- 無法地帯で王騎の修行が始まる

キングダム10巻ネタバレあらすじ・表紙も確認!
作者 | 原泰久 |
出版社 | 集英社 |
あらすじ | 政暗殺の黒幕が呂氏だとわかっていても、 政陣営は糾弾できず悔しさを滲ませる。 貂は羌瘣の紹介で、昌平君の軍師学校へ入学。 信と共に戦場へ出るため一流の軍師を目指す。 王騎に修行を願い出た信は、無法地帯の平定 を命じられる。 |
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呂不韋と四柱
政暗殺は未遂に終わり、落ち着きを取り戻した王宮に呂氏陣営が現れる。武官は数人であとは全員文官にも関わらず、圧倒的な重圧を放つ。呂氏を初めて目にした信は、とてつもなく恐ろしく思えた。
自らが「暗殺事件の黒幕」だと告げる呂氏に対し、「冗談はよせ丞相」と否定する政。黒幕が呂氏であることを確信しながらも、糾弾することができない。それほどまで、二人の権力には差があった。
茶番劇が繰り広げられる中、四柱の一人・蒙武が上奏する。そして「秦の”六大将軍”を復活させてほしい」と提言。昭王時代にしかれた「六将制度」は、六大将軍に戦争の自由の権限を与え、中華全土に絶大な力を示していたためだ。
己こそ”中華最強”と豪語する蒙武に対し、四柱で外交官の蔡沢は「かつての六大将軍・王騎」をどうするつもりなのか問う。「奴の時代はとうに終わった!」と唸る蒙武だったが、呂氏から「いい加減にせぬか」と窘められる。
配下・蒙武の上奏を抑え込んだかに見えたが、「呂不韋に忠誠を誓う腹心共を六将に据えるというのはいかがでしょうか」と図々しく申し出る。
呂氏陣営が去った後、一方的にやりこめられた政は己の無力さに悔しさを滲ませた。妥当呂氏を誓う政は、新たにかつての敵・肆氏を陣営に迎え入れる。
貂の進む道
反乱鎮圧後、平穏な日々を送っていた貂。しかし、止まることなく進む信を目の当たりにし、「同じところにいたい」と思うようになる。
羌瘣に弟子入りを申し出るも断られ、八方塞がりになった貂。しかし羌瘣は、戦闘力のない女の貂が戦場に出る方法は「軍師」であることを教える。
信に「軍師になる」と宣言し旅立った貂は、羌瘣に紹介されたとある有力者の屋敷へ向かう。そこはなんと、呂氏陣営・昌平君の軍師学校だった。逃げようと画策するが、昌平君は貂を迎え入れる。
部屋に通された貂は兄弟子・蒙毅に「目的は諜報のためか」と問われ、自分の正体がバレていることに慌てる。しかし、その反応をみて「君は本当に何も知らずにここに来たんだね」と蒙毅は安堵の表情を見せる。
貂を迎え入れた昌平君は、蔡沢に「いい駒が手に入りました」と話す。貂は「無警戒に敵陣営と接触がとれる駒」であり、貴重な存在だった。
羌瘣の思い通りに事が運び、その聡明さを評価する蔡沢。しかし昌平君はそれ以上に、信への興味を示していた。
王騎将軍の城
政暗殺事件以来、壁は緊急時用に渕を連絡係として信の村に配置していた。渕に頼み込み王騎将軍の城を訪れた信は、幸先よく王騎本人に遭遇。
「俺は天下の大将軍に修行をつけて欲しいんだ!!」と図々しく頼み込む信を、王騎は「どうやらおバカは一度死なねば治らないようですねェ」といいとある場所へ連れ出す。
「童信は将軍になりたいのですか?」と問う王騎に、信は「天下の大将軍に!」と答える。「俺に修行をつけてくれ 王騎将軍」と懇願するが、「嫌です」と馬車から蹴り落とされ信は崖下へ落下していった。
無法地帯
落下した信を心配する渕は王騎に「どういうおつもりですか!!」と尋ねるが、「修行ですよ修行」とあしらわれる。
信が落ちた崖の下には、無法地帯があった。戦で土地を追われた少数部族や亡国の矢からが流れ込む”無国籍地帯”では、狭い荒野の覇を争って戦っていた。
「童信! この地を”平定”してみせなさい」という王騎。集落の南巴族は最弱で、人口は総勢百人。百将になる信に対し、実戦形式で経験を積ませる王騎流の修行だった。
覚悟を決めた信は、無法地帯の平定に挑む。
キングダム10巻感想・考察

一見蒙武を諫めたかに見えた呂氏ですが、遠回しに「政に将たちを掌握することは不可能」であり、あくまでその役割は自分であることを見せつけます。
どこまでも狡猾で、自分の権力のためならば手段を選ばない姿が見えますね。
他人と慣れ合わない羌瘣ですが、貂を昌平君に紹介するなど情に厚い人柄が見えます。貂の推薦状に「河了貂」の名を示すだけで、”政陣営の駒が欲しい”昌平君が受け入れることを見抜く賢さには感服させられますね。
また羌瘣を評価する蔡沢に対し、昌平君は信の名を上げます。秦軍総司令として頭脳明快な昌平君ですが、本能のまま愚直で常に政の危機を救う信は魅力的な存在なのでしょう。
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