信はの王騎に特殊百人隊を命じられ、副将に羌瘣を据ます。秦軍王騎将軍と趙総大将龐煖の9年前の、因縁の戦いがついに始まります。
昭王の伝言が王騎から政に伝えられる、第11巻のあらすじや感想を調査しました。
これから初めて読む人、最新刊に備えて復習したい人はぜひ最後までご一読ください。
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- 王騎は昭王の伝言を預かっていた
- 信は王騎に”特殊百人隊”を命じられる
- 六将・摎は龐煖に討たれた
キングダム11巻ネタバレあらすじ・表紙も確認！
| 作者 | 原泰久 |
| 出版社 | 集英社 |
| あらすじ | 韓侵めをする秦は隣国趙から侵略されてしまう。 凄惨の限りを尽くす趙将・万極。満を持して、 王騎が秦軍を率いる大将に復帰します。 百人将の信は”特殊百人隊”を王騎に命じられ、 副将に羌瘣・渕を据える。 |
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趙の侵略
始皇三年、秦は二十万を超える大軍勢で隣国「韓」を目指す。秦軍総大将を務める蒙驁は「極めて凡庸な将軍」だが、定石通りの戦いで順当に勝ち進む。
王都まで迫る勢いで、奥深くまで攻め入る秦軍。貂は不安を覚えるが、蒙毅は他の三国に攻め入られる心配はないと断言。特に秦六将と並ぶ「三大天」に匹敵する人材が不在の趙は、誰もが動くことはないとふんでいた。
ところがその頃、秦国・馬央に趙軍が侵略。そして、趙の副将・万極は秦の村々を蹂躙し、壊滅に追い込む。趙の侵略により急遽集められた民間兵の中には、信とともに蛇甘平原で戦った尾兄弟や澤伍長の姿も。
呂氏は趙討伐の総大将に蒙武を据えようとするが、昌文君は「攻に特化した蒙武」より「攻守両方兼ね備えた王騎」を推薦する。
驚く正殿の面々だったが、そこに引退したはずの王騎と腹心・謄、無法地帯を平定した信が現れる。厄介払いしようとする蒙武だったが、昌平君は秦軍総大将を引き受けてもらうため自分が呼んだと遮る。
総大将任命にあたり人払いさせた王騎は、政に「この三年間王をつとめられた感想をお聞かせ頂けませんか？」と問う。「別に何もない 別に王らしいことは何一つできていないからな」と返す政。
そんな政に、王騎は「昭王より承っていた大王への伝言です」と重大な話を切り出す。
王騎出陣
大将が王騎に決まり、いよいよ民間兵も伍を作り始める。百人将・信は、どこの大隊にも所属しない「特殊百人隊」として尾平や沛浪たちを率いることに。
無法地帯を平定した信は、自信を持って檄を飛ばす。その光景に、特殊百人隊の面々は一気に士気を高める。そして、この百人隊の副将の1人は渕であることを発表。もう1人の副将は、到着を待つことに。
咸陽では戦略会議を終えた王騎に、「どうして急に戦う気になった」と昌文君が問う。すると王騎は、馬陽でのかつての戦を振り返る。
馬陽は王騎・昌文君・六将摎が、趙から奪った城だった。しかし、そこは摎が龐煖に討たれた場所でもあった。
そして王騎は、「昭王六将としての自分は決別しようかと考えています」と話す。前を進むことを決めた王騎を、昌文君は「頼んだぞ」と送り出した。
その頃信の元には、羌瘣が戻っていた。副将として迎え入れられた羌瘣は、皆から歓迎を受ける。
咸陽を出発する王騎は、副将に蒙武を据えていた。王騎の出陣は列国に激震が走り、この戦は一気に全土の注目の的に。
馬陽へ行軍する信たちだったが、趙軍が”老人 女から赤子にいたるまで一人の残らず殺されている”という情報が入る。次第に恐怖心が増す民間兵の中には、夜中に脱走するものも現れる。
著しく士気が低下する秦軍だったが、騎馬隊の大軍を率いた王騎が到着し「全軍 前進」と発すると一斉に皆の目つきが変わる。たった二言で一気に士気を上げる、これこそが大将軍・王騎の存在感だった。
趙大将・龐煖
咸陽では、趙軍の大将が龐煖であることが報告される。「そんな武将聞いたことがない」と呂氏や昌平君は訝るが、昌文君は”王騎に殺された龐煖が生きていた”ことに一人冷や汗をかいていた。
当時無名だった龐煖に摎が討たれたことは王騎・昌文君ともに認められず、二人は「病死」を画策。糾弾される昌文君だったが、「龐煖」がどのような男だったのか報告を始める。
龐煖とは「武」の結晶で、秦軍十万のど真ん中に一人で現れるような男だった。一斉攻撃を受けるも、武の力で圧倒。龐煖の前には、全てが無意味に思えた。そして迎え撃つ摎の命を奪い、その後騒ぎに駆けつけた王騎に斬られた。
その因縁の二人が再び大将として相見えようとする今回の戦に、呂氏は「少々できすぎだな」と疑問を抱く。昌文君は「おそらく王騎は初めから知っていたのだ だから秦軍総大将を引き受けた」と推測する。
六将・摎
九年前の因縁の対戦を知った一同だったが、王騎がなぜ摎の敵討ちに動いたのか皆疑問に思う。
摎は六将の中でも、最も謎に包まれた将軍であった。六将の中で最も若かったが、戦の苛烈さは六将一だったといわれている。華々しい戦歴を残す一方、素性に関する情報は何一つ残っていない。
決して人前で仮面を外すことが無く、「火計で顔を醜く失った」「美しい女」など様々な憶測が飛び交った。
一方摎を討った龐煖も”一人で秦軍10万人と戦うなど趙軍の作戦は乱暴ではないのか”と昌平君は疑問に思う。しかし、昌文君は「あれは趙軍とは無関係だ」と断言。
蹂躙を続けながら「兵も 軍も 趙も 秦も 取るに足らぬただの小事」と話す龐煖に、昌文君は趙の兵ではないと確信した。
「我 武神 龐煖也 出て来い 我が敵よ」と常軌を逸した行動をとる龐煖だったが、その場にいた全員は”それが龐煖という男なのだ”と理解した。
そんな龐煖が今更趙の将軍になった理由は、王騎を討つ目的があるのではと政や昌平君は推測するのだった。
キングダム11巻感想・考察
死んだ昭王の伝言があることを、政に伝える王騎。昭王に拘り続けていたのは、この伝言を伝えるにふさわしい次の王を探し求めていたからなのかもしれませんね。
「馬陽」「龐煖」の2つのキーワードが意図的に利用され、なぜ王騎出陣に繋がったのか後々紐解かれます。張り巡らされた恐ろしい戦略に、背筋が凍ること間違いなしです。
摎に対する王騎の思い、戦国の世ではそんな”思い”ですら戦略として利用される様が描かれる、今回の「馬陽」の戦。12巻へと続きます。
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